Dr.アミノの「アミノ酸公開講座」

医療分野でわたしたちの生活を支えるアミノ酸に注目!

●アミノ酸輸液の誕生
1956年、手術前後の患者さんへの栄養補給をするアミノ酸輸液が日本で発売されました。これは世界的にもはじめてのアミノ酸の医薬分野への利用と言えます。
その後、各国で改良が行われ、アミノ酸だけではなく糖質やナトリウムやカリウムなどの電解質も含んだ高カロリー輸液が定着し、患者さんの栄養管理ができるだけではなく、手術の成功率を高くすることが認められ、今では手術になくてはならない薬剤として広く用いられています。
また、個々のアミノ酸の生理機能についての研究も盛んにおこなわれ、今後の個々のアミノ酸の生理機能を利用した有用な薬の開発に大きな期待が集まっています。

●在宅治療にもアミノ酸医療が活躍
小腸の大量切除をすると、十分な栄養を食事から摂れるようになるには数年以上かかることもあります。このような患者さんの手術後の栄養管理には、アミノ酸を含む高カロリー輸液が不可欠です。在宅静脈栄養法システムが確立されたことによって、それまで長期入院を余儀なくされていた患者さんたちが、医師の指導のもとで自宅で安全に高カロリー輸液が使えるようになって、自宅で栄養管理と治療を行う例が増えてきています。
自宅での栄養管理には成分栄養剤も活躍しています。小腸や大腸に潰瘍ができ、激しい下痢や腹痛を起こす、あのクローン病は、症状が悪化すると食事がほとんど取れなくなるために、栄養状態が悪くなり、さらに症状も悪化するという悪循環を起こします。最近では症状に応じて成分栄養剤と食事との割合を調整することで、社会生活を送りながら治療もできるようになってきました。

●多彩な用途が期待されるアミノ酸
高齢者はさまざまな要因で食事が十分食べられなくなり、栄養状態が低下しがちです。アミノ酸なら、体内で分解の過程が不要なので、カラダに負担をかけずに、約30分で吸収されます。

今後健康維持などさまざまな分野でアミノ酸の活躍は大いに期待されています。
ドクターコメント
コラム

成分栄養剤はチューブを用いて消化管内に投与するか口から飲むもので、もともとアメリカで宇宙飛行士のために開発されたものです。成分栄養剤はほとんどすべてが体内に吸収されてしまうため排便量が極めて少ないことが、狭い宇宙船では大きなメリットとされていました。

その後、宇宙計画の進展によって食事比べておいしさに欠ける成分栄養剤は敬遠され、凍結乾燥した食品等が使われるようになりました。宇宙飛行士のために開発された成分栄養剤は医療分野で威力を発揮します。こんな世界でもアミノ酸は運動するカラダを支えているんですね。


今回の講座は以上です。次回もお楽しみに!
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